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Project9 バイオ・マテリアル植物生産

バイオ・マテリアル植物生産

糖尿病や高血圧性疾患などの生活習慣病をはじめとした疾病の効果的な予防と健康管理により健康長寿社会の実現に資するため、ヒトの疾病予防・健康増進に資する有用物質(ミラクリン※など)をトマトなど容易に栽培できる植物を利用して生産するシステムの開発・事業化を目指す。
※西アフリカ原産「ミラクルフルーツ」に含まれる、酸味を甘味に感じさせる味覚修飾作用を持つたんぱく質

「つくば」がもつ作物育種技術や農業生物資源の集積を活用し、筑波大学およびベンチャー企業が共同して有用物質生産植物の大規模生産を目指す「植物機能を活用したヒトの健康増進に資する有用物質生産システムの開発事業化」のプロジェクトを平成29年度より立ち上げた。疾病の効果的な予防と健康管理による健康長寿社会の実現に資することが期待される。

【取組内容】

取組内容① ミラクリントマトの開発
取組内容② 高GABAトマトの開発

【主なプロジェクト参画機関】

筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター(リンク先:https://gene.t-pirc.tsukuba.ac.jp/)/(株)インプランタイノベーションズ(リンク先:https://www.inplanta.jp/)/サナテックシード(株)(リンク先:https://sanatech-seed.com/

「酸味を甘味に感じさせる」タンパク質ミラクリンは、極微量で味覚修飾作用効果があり、効果の持続時間も長いため摂取カロリーはほぼゼロの甘味剤として、生活習慣病やその予防効果が期待されている。しかし、唯一ミラクリンを含む植物であるミラクルフルーツは大量安定生産が困難な植物であり、価格も高騰していた。そのため、食品業界で興味を示す会社は多いものの商品開発も進まないといった現状があった。
このような背景の中、我々は、ミラクルフルーツのミラクリン遺伝子をトマトに導入し、ミラクリンを生産するミラクリントマトの作出に成功した。現在は、ミラクリントマトの商品化に向け、国内産初の遺伝子組換え食品としての認可申請を行っている。

ミラクリンとは?

ミラクリン産生トマト(ミラクリントマト)の開発に成功

これまでの実績として、ミラクリントマトからミラクリンを精製する技術をラボスケールで確立しているが、今後は特区のプロジェクトの中で段階的にスケールアップし、実証スケールでのミラクリン高収率精製方法の開発を進める。第1弾としてはミラクリントマトパウダーとしての販売を計画しているが、精製品を商業レベルで供給できるようにすることで、関連商品の開発の幅を広げ、市場性・付加価値の増大を目指す。
また、既存のミラクリントマトよりもミラクリンを高含有するミラクリン高蓄積トマトの開発を進め、商品化のための系統選抜等を進める。より高蓄積の系統を作出することでミラクリン生産の効率化を進め、流通量の増加、コスト削減につなげていく。


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